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ヨーロッパアルプスで出会った花
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Sempervivum Montanum (バンダイソウ) 英語名 Mountain Houseleek
どの花を一番最初に持って来るべきか大いに悩んだ結果、日本ではあまり紹介される事の無い花になりました。まず第一印象が強烈な事です。標高が2000mを越える場所に咲くこの花は一見花と言うよりはサボテンのような印象で脳裏に深く焼きつきました。イボイボの芽が膨らむと赤い軸が伸びサボテンのような花が開きます。標高が低くなると丈も長く軸も太くなり美しいというよりグロテスクです。日本で見ることの無いこの花が私の中ではヨーロッパで一番です。全ての行程で見ることが出来ました。
2009年6月20日から7月17日にかけて見られました。
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Viola calcarata ( アルプススミレ ) 英語名 Long-spurred Pansy
一見してスミレの一種とわかるほどスミレとビオラに良く似ています。原種かも知れません。標高1500m付近から2500m付近までの草原で風通しが良く日が当たる斜面に群生していました。色は咲き初めが色が濃く次第に薄紫色に色が後退してゆくようです。真っ青なエンチアンとならびTMBの道中でよく見かけました。
写真左・背景はイタリア側モンブランです。
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Caltha Palustris ( リュウキンカ ) calta palustris
初夏の頃、水辺や湿地を黄色く彩っているのがこのリュウキンカです。6月中旬から咲き始め7月中旬頃までは咲いているようです。ツールドモンブランの中ではフランス、フールのコルから下った所と、イタリア側エリザベッタ小屋近くで綺麗に咲いていました。
写真右上・エリザベッタ小屋をバックに咲くリュウキンカ 左下・フランス側モッテ小屋手前の湿地
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Primula daonensis (プリムラ・ダオネンシス)
サクラソウの花はいつどこで見ても綺麗でかわいいですね。この花はスイスサンモリッツ近くのベルニナ山系で撮った写真です。サクラソウは多くの花に混じっている事が多いのですがこの時はこのサクラソウだけが群生していました。
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Silene vulgaris (シレネ・ブルガリス) Silene vulgaris
ナデシコノ仲間でどちらかというと標高が1000m前後で温かい場所に咲いています。背丈が50cmほどで多くの花と混在していました。独特の花びらが印象的な変った花です。
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trollius europaeus (キンポウゲ) Butterblume
ヨーロッパアルプスで一番よく見かける花かも知れません。特にドロミテでは高原一面に咲いていることが多く感動的です。6月から7月がメインの花期です。
左上・バックはグランドジョラス 右上・ツールドモンブラン・バルム峠
右下・ドロミテ・ガイスラー
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左上・ドロミテガイスラー
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gentiana kochiana (アルプスリンドウ) Gentiane-Pneumonanthe/Gentiana alpina
ヨーロッパアルプスを代表するりんどうです。これまで行ったほとんどの山で見られましたが6月下旬から咲き始めるため7月下旬には見られる場所が限られます。インクを落としたような澄んだ青い色は疲れを吹き飛ばしてくれました。
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Lilium martagon (リリウム・マルタゴン) Lilium martagon
山では珍しいユリ科の花です。標高800m辺りから2000mあたりの日陰といわず日向といわず咲いています。群生しているのは見たことがありませんがポツリと咲いていることが有って驚きます。どの写真を見ても他に花がないのです。ドロミテでは見たことがありません。
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silene-acaulis (シレネ・アカウリス)
標高が高く樹木が育ちにくい場所の日当たりが良いところでよく見かけました。一見苔のようにも見えます。丸く密集していることが多く大きい集まりだと50cmほどの直径になったのも見たことがあります。咲き始めは濃いピンクですが時間とともに薄くなっていくようです。
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Gentiana verna (ゲンチアナ・ウェルナ) Gentiana-Bavarica
エンチアンの仲間で種類が多く花の形には個性があるようです。先のリンドウ鳥よりもさらにきれいな藍色で初めて見た時には感動しました。背丈が3cm以内と低く標高が1500m以上の草原に群生しています。
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Pulsatilla alpina ssp. alpina (プルサティナ・アルピナ)
キンポウゲ科のオキナ草です。ヨーロッパのほとんどの場所で見られましたが現地の方はアネモネと言って見えました。6月中旬から7月上旬に咲き、咲いた後は大きな綿毛になりそれもまた綺麗です。色はクリームいろや薄い黄色を見かけましたが種類が違うかも知れません。少し厚みが有りそうな花です。
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Primula minima (プリムラ・ミニマ) Least Primrose
サクラソウの仲間は良く見かけますが特にこの花は高い場所の風が強いような環境で見かけました。石がゴロゴロしていて他に花が咲いていないような場所にまとまって咲いています。背丈が5cmほどですが他に花が無いので良く目立ちます。サクラソウの仲間は多いのですが花の形が微妙に違います。これはドロミテ・プローゼで見た時の写真です。
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Anthyllis vulneraria (アンティリス・ウルネラリア)
日当りがよい斜面などに群生しています。多くの場所で見かけましたがあまりにどこにでも有る為か写真もあまりありませんでした。左上はツールドモンブランのベニの谷で見かけた凄い群生です。開いているのか閉じているのかハッキリしない花です。
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Geranium sylvaticum (ゲラニウム・シルヴァティクム)
まさにハクサンフウロです。日本で見られるものとほとんど変りません。花の色も薄紫だったりピンクだったり、これも日本と同じです。標高は800mくらいから2000mぐらいに咲いていてほとんど雑草に近い存在のようです。写真左上はツールドモンブランエレナ近くのフウロです。
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Myosotis sylvatica (ミオソティス・シルヴァティカ)
日本でもなじみのある忘れな草です。写真右上のように多くの花に混じって咲いているのを良く見かけました。咲き始めは色が濃く次第に薄くなりようです。ヨーロッパでも花の意味は忘れな草と同じようです。
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Phyteuma orbiculare (フィテウマ・オルビクラレ)
日本ではあまりなじみの無いキキョウ科の花です。猛禽類の爪のような形をしています。標高は500mから2000m以内の草原に他の多くの花たちと一緒に咲いているのをよく見かけました。
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Scabiosa lucida (スカビオサ・ルキダ/セイヨウマツムシソウ)
まさにマツムシ草です。標高が800mから1500m位の道端などでよく見かけました。日本でも良く見かけるためあまり気にした事がありません。